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絵本について
タイトル | おたんじょうび ふ〜 |
著者 | たなかしん |
ページ数 | 32 |
対象年齢 | (不明) |
言語 | 日本語 |
出版社 | ライツ社 |
発売日 | 2022年12月7日 |
あらすじ
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ライツ社
ねえ たんじょうびの ひみつ しってる?
ケーキの うえの ろうそくの ひを ふーっと けせたら
ねがいごとが かなうんだって
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誕生日といえば、この絵本!
せーの「ふ〜」
みんなが大好きなあの瞬間を何度でも楽しめる最高のプレゼント絵本ができました。
評価
読んでいた期間:2歳ごろ〜約1ヶ月(図書館よりレンタル)
項目 | 評価 |
---|---|
リズムと構成の良さ | ★★★★☆ |
ポジティブな表現 | ★★★★★ |
子どもとの対話性 | ★★★★☆ |
言語表現の適切さ | ★★★★☆ |
絵のリアルさ | ★★★☆☆ |
ストーリーの現実味 | ★★★☆☆ |
総評 | ★★★★☆ |
リズムと構成の良さ:★★★★☆
全体的に文章のリズムが良いために読みやすいです。呼吸の間も入れやすく、良く考えられているという印象を受けました。
構成については、ところどころ細かいひねりは入れられているものの、基本的には同じ展開が繰り返されるために分かりやすいです。そのため、小さい子どもにとっても十分に楽しめると思います。
ポジティブな表現:★★★★★
願い事を叶えるという内容から、ポジティブ全開です。こういう夢もあるんだな、という参考にもなるかもしれません。ぜひ娘にも夢を抱いてほしいものです。
子どもとの対話性:★★★★☆
「せーの!」の後に、絵本のローソクに向かって子どもと口をすぼめて「ふー」とするのが楽しいです。前述のとおり同じ展開が繰り返し続くので、1回絵本を読むだけでも楽しめます。
ちょうど娘の2歳の誕生日前に図書館で借りてきて読んだのですが、誕生日当日にローソクの火に向かって一生懸命「ふー」としていたのが微笑ましかったです。この絵本を借りていて良かったなーと思いました。
言語表現の適切さ:★★★★☆
概ね適切な言語表現ですが、動物のキャラクターが話すのでどうしても「どうしようかにゃ」などの言語表現がされています。これはこの本に限った話ではありませんね。
絵のリアルさ:★★★☆☆
どちらかといえば、平面的なイラストが多いです。動物も抽象的なイラストになっています。
ローソク、動物やケーキ以外にも花や果物や食器など小さなものがたくさん描かれており、これらが絵を鮮やかにしてくれています。
気になる方は、出版社のサイトにて数ページ確認できるので見てみてください。
ストーリーの現実味:★★★☆☆
「願い事を考えてからローソクを消す」という内容はいたって現実的です。そして絵本に登場する願い事は、より身近というかライトなものが取り上げられています。「サッカー選手になりたい」「ピアニストになりたい」のような”将来の夢”とは少し違い、「ごろごろしたい」「あそびたい」という、すこし欲求に近いものです。これは、子どもが願い事を考える際のハードルを下げてくれているようにも感じました。
一方で、動物のキャラクターが話したり火を消したりするので、その点は現実的ではありませんね。
感想
この本のおかげで、誕生日当日、娘がケーキの火を懸命に「ふー」と消そうしてくれました。親としても楽しむことができたので、誕生日の少し前に読むのがおすすめです。図書館から絵本を借りてきてくれた妻に感謝。
私はこの絵本を読んだとき、「そもそも、なぜ願い事を考えてローソクの火を消すんだろう?」と気になりました。そこで調べてみると、誕生日ケーキの起源にはいくつかの説があり、その一つである古代ギリシャ起源説から由来していそうです。
月の女神「アルテミス」の誕生日を祝うため、円形のケーキを焼いてローソクに火をつけたとのこと。このとき、ローソクの光が神への祈りを届ける役割も果たしていたそうです。1
願い事をしてローソクを消すという風習は日本にはあまり広まっていません──少なくとも私は経験がない──が、海外では昔から習わしとしているところもあるようです。「願い事を叶えよう」という意味を誕生日ケーキに込めてみると、また少し違った誕生日になりますね。
- https://web.archive.org/web/20191231160741/http://www.tokenz.com/birthday-candles.html ↩︎
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